青木 繁 (あおき しげる) (1889〜1911)

「天平婦人」
水彩 22.5×14.1cm


天平風の衣装をまとい腰掛ける女性。彼女は格子窓に寄りかかり、 うとうとと居眠りでもしているようです。 傍らにはさっきまで奏でていたであろう楽器 (阮咸[げんかん]という中国の弦楽器と思われる)が描かれています。
作者の青木繁は福岡県久留米に生まれ、坂本繁二郎らとともに、 近代日本洋画の歴史に輝かしい足跡を残し、28才という若さでこの世を去りました。 代表作のひとつに、大きな魚を運ぶ漁師たちを描いた≪海の幸≫(石橋美術館蔵)があります。
画面の左下隅には「T.B.S.Aoki.」と署名がありますが、 青木の雅号「吐山庵木舟(とざんあん・ぼくしゅう)」の略という説や「True Brotherhood.Shigeru(繁、真の同胞)」の頭文字という説があります。 これはイギリス絵画に関心を持っていた青木がラファエル前派の画家が使っていた P.R.B(Pre-Raphaelite Brotherhood)という略号を似せたものだと考えられています。

参考文献
 「石橋財団石橋美術館名作選」 石橋財団石橋美術館 1990
 「青木繁」 新潮日本美術文庫 1997
fudetarou
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