大津 英敏 (おおつ えいびん) (1943〜)

「宙・そら」 1992年 油彩 181.8×259.0cm


どことなく不安げな表情を浮かべながら、遠くを見つめる少女。背景に広がる海と空が、そんな少女の心と共鳴しているように感じます。
大津英敏氏は、具象派の領域で、日本の美術を代表する洋画家の一人です。 1983年には、具象画新人の登竜門といわれた安井賞を、愛娘を描いた「KAORI」で受賞しています。この「宙・そら」も自分の娘を描いた一連の作品で、1993年、宮本三郎記念賞を受賞しています。
大津氏は、日常の中から絵を作ることを基本と考えており、娘をモデルに描くことで自分の日常、自分の成長を見つめていたようです。つまり、一連の少女シリーズは、作家自身の自分史でもあるわけです。
現在でもモデルは家族などの近しい人物で、基本的な制作スタイルは変わっていません。日常の中から生まれた作品だからこそ、私達が常に抱いている様々な感情を、呼び覚ます力を持っているのかもしれません。


参考文献
「第11回宮本三郎記念賞大津英敏展図録」 朝日新聞社 1993
「回想・ぬくもりの辺 大津英敏展」 西部アート・フォーラム 1993
fudetarou
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