上川 伸 (かみかわ しん) (1958〜)

「THE WALL“恵みの基地”」 1995年 油彩 162.2×162.2cm


褐色の大地の遥か向こうまで続く得体が知れない建造物。一体どこの風景で、時代はいつなのか、幾重にも塗り重ねられた重厚な画面から、様々なイメージを掻き立てられます。
作者の上川伸氏は福岡県直方市出身の作家であり、エネルギー転換期の筑豊の様子を目の当たりにして、少年期を過ごしました。その体験が上川氏の原風景となり、イメージの源となっています。
この絵をよくみると、筑豊のキーワードがちりばめられていることに気づきます。規則正しく並ぶ円錐はボタ山。それを取り囲む建物は炭住。遠くにはガスタンクが見えます。
上川氏は、「自分自身の内面を形付けた時間の蓄積」を「THE WALL(壁)」と名づけ、イメージを拡大させ続けています。
fudetarou
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直方谷尾美術館
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